ダ・ヴィンチ設計の飛行船はまるで「空飛ぶ帆船」。
2隻の大型飛行船が空を縦横無尽に飛び回って戦う!
●今回の船が登場する映画
The Three Musketeers
2011年公開 フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ映画
●あらすじ
17世紀のフランス。フランス最強の三銃士であるアトス、アラミス、ポルトスと謎の美女ミレディはヴェネツィアへスパイとしてやってくる。その目的は、秘密の部屋に隠されているというレオナルド・ダ・ヴィンチの飛行船の設計図。見事手に入れるが、祝杯の酒に毒が仕込まれており、設計図は盗まれてしまう。実はミレディはイギリス・バッキンガム公爵のスパイだったのだ。話は変わり、それから1年、三銃士はかつての栄光も地に落ち、くすぶった日々を送っていた。そんなある日、パリにやってきた田舎の青年ダルタニアンは、憧れの三銃士と知らず、決闘を申し込み、その上でが認められ、三銃士の仲間入りを果たす。
●ここに注目!
アレクサンドル・デュマ・ペールの冒険活劇小説「ダルタニャン物語」の第一部である「三銃士」の中で前半のハイライトである「王妃の首飾り事件」を映画化。大筋は同じだが、3D映画にふさわしく派手にゴージャスに立体的に生まれ変わっている。
監督は「バイオハザード」 のポール・W・S・アンダーソンなので、脇役のはずのミレディ演じるミラ・ジョヴォヴィッチが主役を食うほど大活躍。それに加え、バッキンガム公爵はオーランド・ブルームが演じ、主役のはずのダルタニアンも三銃士もすっかり陰が薄くなっている。
原作と違うのは細かく言えばたくさんあるのだが、大雑把に挙げると、亭主持ちだったコンスタンスが、映画では可憐な乙女になり、花を添えている。おかげでダルタニアンは不倫ではなく、ラブラブできている。良かった良かった。
●ここに「船」!
「決戦は空へ!」というキャッチコピーの通り、今回は空を縦横無尽に飛び回る大型飛行船同士が戦うのが見所だ。飛行船と言っても、風船みたいな現代の飛行船ではない。帆船の帆が風船になっているようなスタイル。素材も木材を使っているようだ。大きさもあるし、素材も素材なので、かなり重量がありそうだが、ダ・ヴィンチ先生の設計だから、ものすごい技術でその辺はクリアになっているのだろう。そのぐらい、自由自在に戦っている。
飛行船がこの世に現れたのは、1852年9月23日の事。フランスのアンリ・ジファールによって蒸気機関をつけた飛行船の試験飛行が成功したことから始まる。この映画は17世紀が舞台で、まだ飛行船が発明されていない時代なのだが、最初に描かれるダ・ヴィンチの飛行船の設計図のおかげで、この映画では戦いの場が飛行船になり、空中戦ができることになっている。で、気になるのはダ・ヴィンチが飛行船を設計していたかどうかということだが、ヘリコプターなど空を飛ぶ道具の研究はしており、手稿が残っている。また戦車の手稿も残っている。では飛行船は?というと残っていないが、他の手稿などを見ると、「あったかもしれない」と思えるほど。ちなみにダ・ヴィンチは1452年生まれ、1519年没。物語の時代より2世紀、実際の飛行船試験飛行より3世紀半前の人物である。
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