行き交う船で賑わう1876年のニューヨーク湾。
建設中のブルックリン橋から飛び降りてタイムスリップ!
●船が登場する映画
KATE & LEOPOLD
2001年公開 アメリカ映画
●あらすじ
1876年、ニューヨーク。 イギリス人のレオポルド・アレクシス・イライジャ・ウォーカー・トーマス・ガレス・マウントバッテン/オルバニー公爵、訳してレオポルドは、建造中のブルックリン橋(完成は1883年)に集った人々の中に、ひときわ風変わりな男を見つける。服装も変わっているが、それ以上に彼が持っている、奇妙な小さな金属の物が、発明家でもあるレオパルドにとっては気になって仕方がない。男を追うがとちゅで見失い、仕方がなく屋敷に戻ったレオポルドは、叔父に早く身を固めるよう小言を言われる。 実は、レオポルドは花嫁探しのためにイギリスからやってきていたのだ。その夜、屋敷で盛大な舞踏会が開かれ、そこに来た「一番金持ちの娘を花嫁をする」と決めたレオパルドだったが、会場で先ほど見た怪しげな男を目にする。その男を追い、ブルックリン橋から男とともに落下したレオパルドは、なぜか現代のニューヨークへタイムスリップ! そこで広告会社勤務のキャリアウーマン、ケイトと出会う。
舞台になった1876年は、フランス政府がニューヨーク市にアメリカ建国100周年を祝して「自由の女神像」をプレゼントした年。
●ここに注目!
「ブルックリン橋」は、イースト川をまたぎ、マンハッタンとブルックリンを結んでいる。もともとの名称は「ニューヨーク=ブルックリン橋」および「イースト・リバー橋」。1915年に正式に現在の名前担っている。世界最初の鋼鉄製ワイヤを使ったつり橋で、たくさんの映画に登場している。この作品では、建設中のブルックリン橋の脇に時空の裂け目があり、そこをめがけて飛び降りるとタイムスリップが起こるという設定。
ヒュー・ジャックマン演じるレオポルドは、エリシャ・グレーブス・オーティスというエレベーターの開発者がモデル。アメリカの発明家であり、1852年、逆転止め歯形による落下防止装置(調速機、ガバナマシン)を作った人物。作中で、スチュワードがエレベーターの故障で落下して負傷するのは、このプロフィールを意識してのことだろう。他にも作中いろんなところでエレベーターが故障する。オーティスの発明はエレベーターを信頼できるものにした。彼が創業した会社「オーティス・エレベータ・カンパニー」は現在、世界最大のエレベーター会社になっている。エッフェル塔 、自由の女神 、エンパイア・ステート・ビル 、国連本部事務局ビル 、世界貿易センターのツインタワーなどのエレベーターも同社のもの。「エスカレーター」という名前は、同社の登録商標で商品名だった。作中では、レオポルドの召使いの名前として「オーティス」名が使われている。
●ここに船!
建築中のブルックリン橋を前に行わえる、文明の進歩を誉めたたえる演説会。その背景に現れる港の風景の中に、船が登場する。それらはもちろんCGではあるが、マンハッタンとブルックリンの行き来が船しかなかった時代の、賑わう港の面影を見つけることができるだろう。
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