お疲れ気味の名探偵マーロウが今日も人探し。
謎の女性ベルマを捜し、船上カジノへ乗り込んでいく。
●今回紹介の「船」が登場する映画
FAREWELL, MY LOVELY
1975年 アメリカ映画
●あらすじ
1941年、ロサンゼルス。私立探偵フィリップ・マーロウは年を感じていた。金のために、行方不明者やペットを捜して走り回る毎日に疲れを感じていた。唯一の楽しみは、ヤンキースのディマジオ連続ヒット記録の更新だけ。安宿の一室から電話で、ロス市警のナルティ警部補を呼び出し、マロイと名乗る大男から、ベルマという女を捜し出すことを依頼されたことを伝えた。
●ここに注目!
1940年発刊の、私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第2作目の映画化。作者はレイモンド・チャンドラー。村上春樹は「訳者あとがき」でチャンドラーのベスト3を選べといわれたら、多くの人が『ロング・グッドバイ』『大いなる眠り』『さよなら、愛しい人』を選ぶのではないかと言っている。村上春樹がそう言うんだったら読んでみよう、と思っちゃったり。日本語訳は 清水俊二と村上春樹の2パターンあり、映画と合わせて小説も鑑賞比べしてみたい作品だ。
●ここに「船」!
元警官の操縦する船に乗って、街を牛耳っているギャングが経営する賭博船に乗り込んだマーロウ。船の名前は「LIDO」。ネオン輝く「LIDO」の文字の前で、見張りの男をやっつけるマーロウたち。見張りの一人にボスの部屋に案内させ、船内へ。ジャズの流れるルーレット場を囲む人々は、マーロウたちのことなど見向きもせず、浮世のお楽しみに興じていた。
1980年代前半まで、アメリカ国内でカジノが合法化されていたのはネバダ州とニュージャージー州だけだった。本作の舞台であるロサンゼルスは当時はカジノ非合法州。船上カジノは、法の目を逃れる一つの手段だったそう。
ちなみに「LIDO」とは 、一流の海浜保養地、屋外水泳プールという意味を持つ。イタリアの島の名前にもあり、またパリのキャバレーの名前としても使われている。船上カジノにぴったりの名前だ。
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