豪華客船のダンスホストに扮した中年男性二人の
恋とペテンの大騒動を描いた傑作ラブ・コメディ!
今回ご紹介の「船が出てくる映画」
OUT TO SEA 1997年 アメリカ映画
●あらすじ
根っからのギャンブル好きなチャーリーは、競馬場でスッカラカンに。そんな彼の頭の中に浮かんだのは、なんと逆玉の輿計画。カリブ海をめぐる豪華客船にダンスホストとして乗り込んで、暇もお金も持て余すリッチな独身女性客を口説き落とす、というものだった。 しかし、チャーリーには一つ問題があった。実はダンスは全くダメなのだ。そこで、ダンス上手で男ヤモメで義弟ハーブも一緒に連れて行き、ダンスはハーブに任せてしまえば、自分は口説きに徹することができるというアイディアを思いつく。チャーリーは義弟に、“客”としてクルーズを楽しむと信じ込ませて、豪華客船に連れ出す。
●注目!
日本では劇場未公開。主演は、ジャック・レモンとウォルター・マッソーで、マッソーに振り回されるレモンという、黄金コンビおなじみのキャラクター設定がこの作品でも健在である。船内サービスのひとつ「ダンスホスト」とは、別名アンバサダーホスト、日本では胸にリボンをつけていることから「リボンちゃん」とも呼ばれている。パートナーがいない女性乗客にダンスのお相手をしてくれる専任の男性スタッフのことである。実際のダンスホストの中には、元チャンピオンが特別参加していることもある。夜はダンスをエスコートする彼らは、昼間はダンスホールやデッキなどでダンスレッスンプログラムの先生として登場することも。同僚ダンスホスト役として登場する「雨に唄えば」でおなじみのドナルド・オコナー。華麗なるタップダンスはこの映画でも健在だ。
●ここに船!
映画で2人がダンスホストとして乗船するのは、1986年に製造された元ホランド・アメリカ・ライン(HAL)のウエステルダム号。5万3872トン、9デッキ構造、現在のコスタ・ヨーロッパである。2002年にコスタ・クルーズに移籍し、改造されたが、その船内はウエステルダム時代そのままに、古き良き時代の伝統をしっかりと残している。実際の船で撮影していることも、この映画の見所だ。搭乗口、ダンスホール、デッキ、スイートルームなど、今は懐かしいウエステルダム号の様子がしっ かり撮影されている。また、乗客という立場では見る機会のないであろうスタッフルームの様子が見られるのも面白い。ちなみに2人の部屋は1026—A室。 窓なし、洗面室共有で、2段ベッドの殺風景な部屋だが、ダンスのステップ練習が十分できるぐらい広い。
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