めぐり逢い

監督がヨーロッパ休暇からの帰りの船旅で思いついたアイディアで脚本未完のまま撮影。

船がニューヨークに到着した時には、どんな結末になるか誰も知らなかった。

今回ご紹介の「船が出てくる映画」

An Affair to Remember 1957年 アメリカ映画

●あらすじ

世界中で新聞やラジオなどでニュースになるほどのプレイボーイが、ついに年貢を納めることになった。お相手はアメリカのお金持ち。結婚を控え、ヨーロッパからニューヨークに戻る船旅で、一人旅の女性と出会う。寄港地では、彼女を誘って祖母に会いに行く。そこで彼女は、彼の誠実で愛にあふれた人柄を知り、心を開いていく。  その後の航海で二人は心をすっかり通じ合わせ、永遠の愛を誓い合う仲になっていた。船を降りたらお互いに婚約者と決別することを、そして二人で生きていくことを約束するが、そのためには時間が必要であることもわかっていた。デッキから見えるマンハッタンの摩天楼で、ひときわ背が高く目立つエンパイアステート・ビルに再会を約束し、二人は船を降りて行く。そして半年後の約束の日、悲劇は起こった。

●注目!

この映画は、レオ・マッケリー監督による「邂逅(めぐりあい)」(1939年)と、同監督が自らカラーでリメイクした、古典的すれちがいラブストーリーの名作だ。1作目と2作目の物語やシーンの構図はほぼ同じで、この作品に対する監督の自信や愛情が伝わってくるだろう。

1994年には3度目の映画化、また、トム・ハンクスとメグ・ライアンによる「めぐり逢えたら」(1993年)のモチーフになったこの物語は、レオ・マッケンリー監督本人がヨーロッパ休暇からの帰りの船旅で思いついたアイディアがベースになっている。

●ここに船!

脚本は未完成のまま、出演者と撮影隊は船に乗り込んだ。航海中に撮影できるシーンを撮っていったが、船がニューヨークに到着した時には、どんな結末になるか誰も知らなかったという。監督は予定していた撮影を2週間中止し、物語を練り上げ、あの感動のラストが生まれた。

1作目はアイリーン・ダンとシャルル・ボワイエ主演。ナポリ号に乗船し、北大西洋上に浮かぶポルトガル領ポルト・サント島に4時間停泊する。コロンブスがアメリカ大陸発見の航海のためにしばらく滞在していた島で、15世紀に建てられた彼の住宅が今も残っている。

2作目はケーリー・グランドとデボラ・カー主演。コンスティテューション号に乗船し、南仏コートダジュールの保養地であるヴィルフランシュに5時間停泊する。海沿いのサン=ピエール礼拝堂には、詩人・画家・映画監督ジャン・コクトーが描いた有名なペトロの壁画がある。

ちなみに3作目はウォーレン・ベイティとアネット・ベニング主演。出会った飛行機が不時着、通りかがったロシアの客船に救出される。寄港するのは、南太平洋に浮かぶボラボラ島で、会いに行った叔母をキャサリン・ヘップバーンが演じている。

2作目の物語の舞台は、グレースケリーが結婚のために乗船した「コンスティテューション号」である。ニューヨークからモナコまでの8日間の航海は、ケリー独身最後の旅となった。そんなヒストリーもあり、クルーズ映画といえば一番二番に名前が挙がる映画だが、船が出てくるシーンは多くはない。プロムナード・デッキで語ったり、プールで二人が鉢合わせたり、バーで他の客に聞き耳立てられたり、ダイニングで人目を気にしながら背中合わせて食事したり。船内の情景と二人の絵になる数々のシーンはいずれも記憶に残る。クルーズ映画の代表作という称号は誰もが納得だろう。

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クルーズ映画ライター あいさわみき が 船が出てくる映画を気ままにコツコツ書きまとめています。 船の映画 船が出てくる映画 船が舞台の映画 船が登場する映画 あらこんなところに船が!という作品に出会うと、最高にハッピーです。 なので、ハッピーのおすそ分け、それがこのサイトのコンセプトです。