「缶詰買ってメキシコ」キャンペーンでクルーズへ!
リゾートシャツ姿で事件解決するコロンボ刑事
今回ご紹介する「船の出てくる映画テレビシリーズ」
COLUMBO: TROUBLED WATERS 1975年 アメリカ映画
●あらすじ
物語は、空撮による港に停泊した船の全景から始まる。そこにチケットを右手に、いつものしわくちゃのレインコートで走ってくるコロンボは、「シーパレス号」に乗船するや否や、キョロキョロ歩き回り途方に呉れる様子。彼が探しているのは「かみさん」で、汽笛が鳴っているのにどこにもいないのだ。船のパーサーにかみさんの姿形の特徴を伝えるが、乗客は500名もいるので、わからないと言われる。しかし、船長はお客様の名前は全て覚えており、「先ほど乗船の挨拶をしたので客室か展望デッキにいるだろう」と言われ、ホッとするコロンボだった。背後から、真っ白のスーツに、真っ赤なシャツで現れた男が、今回の犯人である、中古車ディーラーの社長ダンジガー氏だ。彼が今回の犯人である。
●注目!
コロンボの妻で、コロンボの会話にもよく出てくるのだが、どの作品にも姿は一度も見せていないので、本当はいないのではないか?と思われる幻の存在だ。この作品でコロンボより少し背が低く、髪が黒くて後ろで束ねるほど長さがあることが判明。そのかみさんが「缶詰買ってメキシコへ行こう」懸賞で当てたのが、このメキシコクルーズなのだ。
●ここに船!
アメリカのテレビミステリーシリーズ、日本では「刑事コロンボ」でおなじみの2時間枠ドラマ、その第28話は、最初から最後まで全て、豪華客船が舞台。作品のエンドロールに、プリンセスクルーズ社とサン・プリンセス号に感謝を伝えるメッセージが流れる。このことからもわかるように、この作品はサン・プリンセス号のクルーズツアーに同行し、船の中で撮影された。サンフランシスコを出航し、メキシコのマサトラン経由でアカプルコに向かうというコースだ。セットや吹き替えの船は一切なし。クルーズツアーの間だけという限られた時間で撮影したのだ。なので、作中に出てくる主要人物以外の乗組員も本物、エキストラの乗客も全て、本物のお客様である。プールやショーラウンジ、カフェ、ショッピングフロアなどで映し出されるお客様方の表情や動きは自然で、全身でクルーズを楽しんでいる。
このサン・プリンセス号は、1970年に建造された当時は「シーワード号」という名で、ノルウェージャン・クルーライン社の船だった。1972年にP&0社に移籍し、「スピリット・オブ・ロンドン号」に。1974年から「サン・プリンセス号」として14年間活躍した。その後も6社7つの名前に変わり、2012年からは「オーシャンドリーム号」と名乗っている。しかし、その現状は明らかになっていない。引退したとか解体されたとか、まだ現役でベトナムにいるとか色々噂がある。
オーシャンドリーム号の名は、日本ではNGOピースボート企画「地球一周の船旅」が2012年から使用している船の名前と同じだが、1981年建造なので違う船である。殺人事件ではないが、刑事コロンボに推理協力してもらいたいと思ったのは私だけではないだろう。
0コメント