ある日どこかで

船が行き来する湖上の木造ホテルで出会った彼女は大女優。

存在的にも時空的にも遠かった

●今回紹介する船が出てくる映画

Somewhere in Time

1980年公開 アメリカ映画


●あらすじ

1972年脚本家志望の大学生リチャードの処女作上演後のパーティー会場に、上品な老女がいた。彼女はリチャードに歩み寄り、「帰ってきて」という不思議な言葉と共に懐中時計を手渡し去っていく。 8年後、脚本家となったリチャードは仕事も私生活も行き詰まり、車で旅に出た。途中で通りかかったグランド・ホテルに、引き寄せられたかのように宿泊し、ホテル内の歴史資料室で、若く美しい女性の写真を知る。ホテルの老ボーイのアーサーに尋ねると、彼女はそのホテル内の劇場で公演をした女優だった。一目で恋をしたリチャードは、思いもよらない方法で、彼女に会いに行く。


●ここに注目!

原作者のリチャード・マシスンは、バージニア州のある劇場で見かけたポスターに出ていた、20世紀初頭の女優モード・アダムズに心惹かれ、彼女について調査を続け、1975年に自分の経験を投影したロマンティック・ファンタジー小説『ある日どこかで』を発表した。プロデューサーのサイモンはこの原作を気に入ったが、映画製作会社の上層部は非商業的でヒットしそうにないという見解を出し予算は半減。「それでも作りたい」というスタッフ・キャストが集まり、映画は完成した。

原作者マシスンは、1912年のシーンでホテルの宿泊客役でカメオ出演している。

1979年5月から8月の10週間に行われた。映画に登場するグランドホテルは、アメリカ合衆国ミシガン州、ヒューロン湖のマキノー島に実在する。1887年に開業されたリゾートホテルで木造。冬季は閉鎖される。 島内は自動車の通行が禁止、交通手段は今でも馬車、あるいは自転車、または徒歩であり、19世紀の雰囲気が残されている。撮影では自動車の使用が、一台のみ許可された。撮影中も、グランドホテルは通常の営業を続け、宿泊客がエキストラとして協力している。その期間中のホテルの客室稼働率は85〜90パーセントだったそう。


●映画のここに船が出てくる

現代に戻ってきたリチャードがベンチに座って海を眺めているシーンで。1艇の船がスピードに乗って目の前を走り去っていく。リチャードと船の間、画面の手前には緑のドラム缶のゴミ箱が置かれ、そこには現在のゴミがいっぱい溢れている。

その場所は初めて出会った場所でもあっり、二人が心を打ち解け、ピクニックに出かけた場所。思い出の場所は観光客のゴミに溢れている。

マキノー島のすぐ南にあるのがラウンド島、 そのマキノー島側に突き出た岬にあるのが、ラウンド島灯台。映画にも登場する。今は退役した灯台だが、この地域のシンボリックな存在として、市民に愛されている。この灯台に行き来するボートも船といえば船。

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クルーズ映画ライター あいさわみき が 船が出てくる映画を気ままにコツコツ書きまとめています。 船の映画 船が出てくる映画 船が舞台の映画 船が登場する映画 あらこんなところに船が!という作品に出会うと、最高にハッピーです。 なので、ハッピーのおすそ分け、それがこのサイトのコンセプトです。