入国失敗夫婦の赤児は模型船「正義の都市」号に乗ってニューヨークへ。
運命の人と出会い、100年の命を得て奇跡を呼ぶファンタジー映画。
●今回の「船が出てくる」映画
Winter's Tale
2014年公開 アメリカ映画
●あらすじ
1895年のニューヨーク、1組のアイルランド人夫婦が結核のため入国拒否される。夫婦は「せめて赤児だけでも」と模型の船「City of Justice (正義の都市)」号に載せて海に流す。流れ着いた赤児はピーターと名付けられて成長。スリの腕を買われて、ギャングの親玉パーリーの元で働くことになる。いずれ後を継がせようとまで目をかけていたピーターが足を洗おうとしていることを知り、パーリーはピーターを追わせるが、偶然そこに居合わせた白馬に救われる。身の危険を感じたピーターは身を隠すことにした。その資金を得るため盗みに入った大屋敷で、赤毛の令嬢ベバリーに出会う。ピーターは盗みをあきらめ、ベバリーにお茶に誘われる。二人はお互いのことを語り合ううちに、恋に落ちる。
入国審査待ちのピーターの父親。結核と判断され、入国拒否される。
●ここに注目!
原作はマーク・ヘルプリンの1983年の小説『ウィンターズ・テイル』。以前、早川書房から出た翻訳本は絶版したが、映画公開に合わせて文庫本で復刊された。『ビューティフル・マインド』(2001年)でアカデミー脚色賞を受賞した脚本家アキヴァ・ゴールズマンの監督デビュー作。『ビューティフル・マインド』に出演していたラッセル・クロウやジェニファー・コネリーも出演協力している。
物語はファンタジー。いろいろと突っ込みたいところが満載なのだが、それらはすべて目をつぶって、美しい恋物語に浸って下さいまし。
●ここに「船」
アメリカ入国に失敗し、母国へ戻らされるアイルランド人夫婦は。何とか赤児だけは!と考えていた時に目に入ったのが、船の模型だった。頑丈で大きさも丁度いい。母国へ戻る船からそっと海へ下ろし、赤児を見送る夫婦。赤児は海のゆるやかな波のゆりかごにご機嫌だ。この時、両親が乗っている船は停まっていたと思われる。というのは、もし走行していたら、船が作り出す波で、模型の船はすぐに転覆していたはずだから。
模型の船の名前は「City of Justice (正義の都市)」号。ちなみに「シティ・オブ・ジャスティス」号という名前の船はないようだ。
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