ザ・マスター

ウエディング準備中の船に乗り込んだアルコール依存の元海軍兵士は

「マスター」に出会い、許され、共に行動するようになる。

今回ご紹介の「船が出てくる映画」

The Master 2012年 アメリカ映画

●あらすじ

第2次世界大戦後のアメリカ。アルコール依存の元海軍兵士のフレディは、トラブルを繰り返しては職場を転々とする日々を送っていた。ある日、いつものように酒に酔ったフレディは、港に停泊中の船にこっそり乗り込む。船員に見つかり、「ザ・コーズ」という宗教団体の教祖で、信者から「マスター」と呼ばれている、その船の主、ランカスター・ドッドの前に引き出される。フレディのことを咎めるどころか、密航を許し歓迎するというドッド。フレディはこれまで出会ったことのないタイプのキャラクターに興味を持ち、下船後もドッドのそばを離れず、マスターもまた行き場のないフレディを無条件に受け入れ、彼らの絆は急速に深まっていく。独自のメソッドで人々を悩みから解放するドッドのカウンセリングで、フレディも次第に心の平静を取り戻していくが…。

●注目!

ランカスターが創設した宗教団体は、実在する宗教団体であるサイエントロジーが参考にされていると言われている。同団体の創始者L・ロン・ハバードと、映画の主演を務めるホフマンが極めて似通った風貌だった。同団体は見たところは伝統的な宗教よりも自己啓発セミナーに似ている。団体会員で有名なのがトム・クルーズ、ジョン・トラヴォルタである。

●ここに船!

ウエディングパーティの準備をしている船に密航したフレディ。このウエディングはマスターの娘エリザベスの式だった。船上でのウエディングは船長が牧師役を務め、新郎新婦は船長に愛を誓うのが一般的。この結婚式は、ドッドが船のオーナーであり、教祖であるので、すべてを彼の承認のもとで行うことができる。

ドッドは、教団を船に例えた表現する。船長(マスター)は、自分を信じる船員(信者)を引き連れる(導く)キャプテンだが、それ故に船(教団)から自由になれない。しかし、フレディは自由で、誰の導きも受けずに高みへ登っていく最初の一人になるのだろう。。。と。自由に見えるフレディこそ船に固執し、船に追い出されても追い出されても、しがみついているように見えるのに、マスターはそんなフレディの「マスターLOVE」の気持ちが見えないのだろうか。フレディの悲しい片思いの物語だと、私は思う。

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クルーズ映画ライター あいさわみき が 船が出てくる映画を気ままにコツコツ書きまとめています。 船の映画 船が出てくる映画 船が舞台の映画 船が登場する映画 あらこんなところに船が!という作品に出会うと、最高にハッピーです。 なので、ハッピーのおすそ分け、それがこのサイトのコンセプトです。