ブルース・リー 死亡遊戯

40ノットの超高速船BARCA(花望洋)に乗り込む

香港マフィアを、死んだはずの一人の男が追う

Game of Death

1978年公開 香港・アメリカ映画


●あらすじ

世界的に有名なスター・ビリーは、大人気の香港の映画スター。 そんなビリーに目をつけたのは、国際的犯罪シンジケート組織のボスであるドクター・ランドだった。 ランドは人気のある芸能人を脅しては、自分と終身契約を結ばせ、仲介料をせしめていた。 ビリーの撮影中に、天井からつり下がる照明を落下させたり、仕込み杖で脅したりするが、ビリーはランドと契約を拒否する。 ビリーは恋人の歌手のアメリカ人美女アンにまで脅威が及ぶのではないかと心配する。


●ここに注目!

ブルース・リーが1972年秋にクライマックスのアクション・シーンのみを撮影後、73年の急逝により未完となった。5年の紆余曲折の後、代役を使って追加撮影して完成させた。

1972年ものと1978年ものの2通りある。前者はブルース・リー本人が監督したものを指す。クライマックスのシーン11分が共通する以外は、ストーリーも共演者も全く異なる作品だ。

登場人物「ビリー・ロー」を映画スターに設定したのが良いアイディアになった。ブルース・リーの過去の映画のシーンをつなぎ合わせてストーリーを展開。その「つなぎ」っぷりが、ブルース・リーファンでなくても面白い。むしろ、ファンだったら苦い顔をするかな? 後ろ姿や遠めで移動するシーン、サングラスをかけてのアクションシーンは代役を採用。最初の方で、ドクター・ランドと対峙するシーンで、鏡にブルース・リーの顔がバッチリ写りこむが、ここは顔だけ無理やり差し替えに。微妙に顔がずれているのが笑えるが、制作側の苦労が見えて泣けてくる。


●映画のここに船が登場

恋人アンと「スターフェリー」に乗って今後の計画を相談するシーン。スターフェリーは香港のヴィクトリア・ハーバーで 運航されているフェリーの名前で、市民にも観光客にも人気スポットの交通手段。

撮影中に大怪我をしたことを活用し、死亡したことにしたビリー。ヒゲで変装し、とある船を追う。この船の名前は「BARCA(バルカ)」。40ノットは出ると作中の台詞でも説明がある高速船だ。定義は国や機関によって違うが、日本における定義だと航海速力22ノット以上の船舶を高速船、35ノット以上の船舶を超高速船と指す(国土交通省海事局)。船体の下部が赤く(赤と白の横縞)塗られているのが印象的。主にマカオあたりを運行しているらしい(作中の設定による)。BARCAという花が実際にあるのだが、それも赤い。ここから名前が付けられたのかな? 「花望洋」という中国名にも「花」が付いているし。

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クルーズ映画ライター あいさわみき が 船が出てくる映画を気ままにコツコツ書きまとめています。 船の映画 船が出てくる映画 船が舞台の映画 船が登場する映画 あらこんなところに船が!という作品に出会うと、最高にハッピーです。 なので、ハッピーのおすそ分け、それがこのサイトのコンセプトです。