ロスト・マスト・ダイ

伝統的中国ジャンク船が行き交う香港から

黒人と中国系マフィアの二大組織が抗争するオークランドへ

●今回の船が出てくる映画

Romeo Must Die

2000年公開　アメリカ映画

●あらすじ

アメリカ西海岸オークランドでは、黒人と中国系マフィアの二大組織が抗争を続けていた。ある日、中国系マフィアの長チューの息子ポーが殺される。彼の実兄のハンは、この知らせを聞くやすぐさま香港の刑務所を脱獄し、アメリカへやってくる。ハンは実は元刑事で、マフィアだった父の罪を背負って獄中にいたのだ。オークランドで、ひょんなことがきっかけで、黒人マフィアの長オデールのひとり娘トリッシュと知り合ったハンは、彼女の協力を得ながら事件の真相を探る。

●ここに注目！

8歳で北京業余体育学校に入学した頃から、中国武術を習い、1974年、中国全国武術大会で個人総合優勝。以降、5年連続で優勝し、未だその記録を破る者はいない。1982年に『少林寺』で映画デビュー、1991年に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明』が大ヒット。素晴らしい武道家であり、アクションスターのジェット・リーを、実にもったいない使い方をしていることで評判のこの映画。それでも大ヒットしたというから不思議です。

●映画のここに「船」が出てくる

香港が舞台になる映画は、船が登場しやすいので見逃せない。なぜ登場しやすいのか？　それは、場面が香港に変わる際に、差し込みカットとして、ビクトリア湾の映像が使われることが多いからだ。そして実際に、「ロスト・マスト・ダイ」でもそうだ。刑務所にいるハン（ジェットリー）が登場する前の場所紹介カットに、ビクトリア湾が登場。タンカーと、伝統的な中国ジャンク船と思われる船が映る。思われる、と書いたのは、あの特徴的な帆が閉じているので、本当にジャンク船なのかが見極められないから。ともかく、伝統的な船、が見られるのだ。

香港の刑務所を脱獄し、アメリカに渡ったハンは、幼馴染みで組織の幹部でもあるカイと会う。その場所は、ウォーターフロントが一望できるビルの屋上だった。ここで遠景で見られるのはタンカーとフェリーぐらい。

カイが仲間を襲うシーンでは、いわゆるアジトが古い船だったり。さすがウォーターフロント、オークランド。どこかにひょっこり船が現れるが、残念ながら豪華客船は見つからなかった。