9か月

ゴールデンゲートブリッジが見える国立公園クリッシー・フィールドで

のんびり船を眺めながら交際5年目を祝うカップルの上に、カイトが落ちてきて!

●今回の船が出てくる映画

Nine Months

1995年公開 アメリカ映画


●あらすじ

子ども専門の精神科医であるサミュエルと恋人のレベッカは順風満帆な5年間の恋愛生活を送っている。ある日、レベッカは妊娠を告白。飲んでいたピルの成功率は97%で、その3%に当てはまったのだ。出産する気のレベッカと違い、サミュエルは子供が欲しくなかった。それは、仕事で子どもたちに親の悪口を聞かされていたからで、でもそんなことを口にもできず。サミュエルの不安はだんだん大きくなっていく。


●ここに注目!

1994年のフランス映画『愛するための第9章』(Neuf mois)のリメイク。35歳のヒュー・グラントがチャーミングな映画だ。

落ちてきたカイトに頭をぶつけたヒューにいきなりマウスツーマウスの人工呼吸をする男性、男友達の画家とのローラースケートやテニスなど、男性との絡みシーンがチョイチョイあるので、ヒューの若い頃の代表作「モーリス(1987年)」(思えば1960年生まれだから、20代の後半に差し掛かっているが)を意識してのことか?とつい勘ぐってしまう。ちなみに「モーリス」は、20世紀初頭のイギリス・ケンブリッジを舞台にした男子学生たちの同性愛の物語である。

ところでタイトルの「9か月」に違和感は持たなかったか? 日本では、「10月10日(とつきとおか)」と言われ、妊娠10か月目で産まれてくるのが当たり前。 しかし、妊娠10か月で出産、と言っているのは日本だけで、世界の多くの国では妊娠9か月で出産が一般的なのだ。日本では4週間を1か月として計算するが、アメリカでは最初の6週間を1か月目、2~8か月目までは日本と同じ4週間で、最後の9か月目は6週間と数える。どっちも同じ40週間。日本から見たら、なんでそんな面倒な妊娠期間の数え方をしているんだろうと思うんだけどね。


●ここに船が登場

物語の舞台はサンフランシスコ。ゴールデンゲートブリッジが見えるビーチは、国立公園クリッシー・フィールドだ。サンフランシスコ湾沿いにあり、程よい風が気持ち良く、カイト(凧)上げをする姿も良く見かける。このビーチでは犬のリードを外すことが許可されているので、犬も自由を謳歌! ピクニックしたり昼寝をしたり砂遊びしたり、のどかなムード。ここがかつては、陸軍基地プレシディオの飛行場だったことなんで嘘のようだ。本作は、1組のカップルのラブラブな休日のシーンから始まる。ゴールデンゲートブリッジの下をゆっくりと進んでいく貨物船が映っている。

妊娠3か月が過ぎ、つまりがおさまって食欲旺盛な彼女と一緒に朝食(パンケーキ)を取るシーンがある。ここはヨットハーバー脇のカフェ。場所はよく分からないが、サンフランシスコ近郊の避暑地のよう。このカフェでゆっくり過ごしたら、船の姿が何隻かは見られると思うが、作中では朝食もほぼ食べずにホテルに戻る、ラブラブシーンのため、ヨットと小型クルーザーぐらいしか登場しない。

サンフランシスコが舞台の映画は、海が映るたびに、船の面影を感じさせてくれる。本作においては、男友達がホテルに飾られそうな絵を描いている時も、男友達とローラースケートする時も、ゴールデンゲートブリッジが見えるマンションの窓の景色にも、いつも船を感じさせてくれる映画だ。

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クルーズ映画ライター あいさわみき が 船が出てくる映画を気ままにコツコツ書きまとめています。 船の映画 船が出てくる映画 船が舞台の映画 船が登場する映画 あらこんなところに船が!という作品に出会うと、最高にハッピーです。 なので、ハッピーのおすそ分け、それがこのサイトのコンセプトです。