コクリコ坂

海を航く船に「航海の安全を祈る」とメッセージを贈る少女。

1963年の横浜を舞台にした、ジブリアニメの傑作。

From Up On Poppy Hill  2011年 日本映画(アニメーション)

●あらすじ

東京オリンピック開催の1年前の1963年。舞台は海の見える港町。主人公の海は父親を海で亡くしたが、元気な高校2年生。坂の上の下宿屋の娘で、「メル」と呼ばれている。学校の文化部が部室棟として使っている「カルチェラタン」と呼ばれる建物の取り壊しを反対している新聞部の部長「風間俊」と出会い、恋心を抱く。ある日、家に遊びに来た風間は、メルの父親の学生時代の写真を見て驚く。

●注目!

タイトルの「コクリコ」はフランス語で「ヒナゲシ」を意味する。 海をフランス語で訳すと「ラ・メール」。これを縮めて主人公の海は「メル」と呼ばれるようになった。舞台になった当時の横浜は、フランスのエスプリが利いた町だったことがわかる。

コクリコ荘がある場所のモデルとされている、港の見える丘公園。海からコクリコ荘へ続くコクリコ坂は、架空の坂。漫画では東京・文京区大塚の音羽の坂がモデルだった。レストラン「コクリコ」もあり、原作漫画家の高橋さんは打ち合わせに利用していた店の名前をとった。ちなみに最寄駅は護国寺駅。コクリコ館のモデルは「根岸なつかし公園」内の旧柳下邸。

●ここに船!

ヒロインの松崎海が毎朝コクリコ荘の庭から上げている旗は、国際信号旗。 UとWを意味する旗2枚の組み合わせで、「二時信号」という。二文字の組み合わせで初めて意味をなす。その意味は「航海の安全を祈る」。 それに対して、風間俊が乗るタグボートの信号旗は「ありがとう」という意味を持つ。 海と俊の2人が会話しながら歩いていたのは山下公園。明治期に外国人居留地が作られたが、1923年の関東大震災で崩壊。その瓦礫を埋め立てて誕生した。

「氷川丸」も登場。日本郵船が1930年に就航させた貨客船で、今は山下公園の海上にある。市の指定文化財として公開されていて、船内を見学することも可能だ。「日本郵船歴史博物館」も近くにある。町のシンボル、マリンタワーは1961年に完成。 劇中では緑の船体だが、現在は塗装が変わっている。 二人の父親の親友、小野寺善雄は現在は外国航路船・航洋丸の船長を務めている。

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